バイリンガル育児:言葉の使い分け2

前回お伝えした「言葉の使い分け」についての第二弾です。

ポートランド・シアトル・バンクーバーWAで展開中の学習塾の巣鴨アドバンススクール。

ポートランド校教室長の御殿谷です。

言葉の使い分け

前回、家庭内における「言葉の使い分け」についてお伝えしました。

時と場合によって敬語を使うように、子供達には日本語を使うように伝える必要があります。

もし自分の子供が敬語を使っていなかったら、敬語を使いなさい、と伝えることでしょう。

それと同じように、日本語を使うように伝えることが大事になります。

親(母親)とのコミュニケーションは絶対に日本語。

そう心して決めておかないと、グタグタと日本語を使わなくなっていくものです。

もちろん、英語を使っても構わない、と割り切るのもありです。

我が家はそんなに日本語に重きを置かない、というのはアリなスタンスでしょう。

各家庭によって大事なことは違うわけです。

今回は、しっかりと日本語を日常的に使ってもらいたいご家庭向けの内容になります。

特にご主人が日本語を喋らない場合に焦点を絞ります。

お父さんは日本語喋らず

お父さんが日本語を喋らない場合は、家庭における夫婦間の会話は英語になるでしょう。

お母さんが日本人で旦那さんがアメリカ人の場合、お母さんは英語が喋れるということになります。

そうでないと結婚していないはずですしね。

お母さんは英語もわかる、というのが子供はわかっているわけです。

夫婦間が英語なのに、子供にだけ日本語を喋らせるというのは酷な話です。

また家族揃っているときは、英語にならざるを得ない。

ご主人が会話に入ってこれないわけですからね。

子供とは日本語、夫婦間では英語というのは正直な話、難しいでしょう。

今日学校でこんなことがあって、ということを一度日本語で母親に伝えたら、英語で父親にも伝えなければいけない。

こんな面倒なことはありません。

それでは、どうするべきなのか。

やはり、「言葉の使い分け」なんですね。

言葉の使い分け

母親しかいない場合は、日本語。

母親以外の英語しか喋れない人がいる場合は、英語。

日本語を喋れる人ばかりの場合は、日本語で、と「言葉の使い分け」を伝え続けるしかありません。

心は折れることでしょう。

なぜなら子供は楽な方に楽な方にと行きがちだからです。

日常的にどんどん英語のインプットはあるのに、日本語のインプットが限定的であれば。

どんどん英語だけになっていく。

それでも子どもの将来のためと思って伝え続けることが大事です。

会話の時に気をつけること

もしお子さんが英語で喋ってきた時、気をつけることとしては、話をしっかり聞いてあげると言うこと。

いちいち日本語でなんて言うの、と聞いていたら子供も何も言わなくなってしまうでしょう。

せっかくお母さんに伝えたいのに、「日本語では?」とか言われたら何も伝えたくなります。

では子供が英語を使ったら、どうするべきか。

大事なことはこれです。

Reactiveではなく、proactiveになること。

つまり、お子さんが英語を使ってきたときに、日本語にして、と反射的に伝えるのではありません。

事前に、お子さんとどうして日本語が大事だと思うのかを話あうことです。

駄々をこねる例

買い物で子供がものをねだる時もreactiveではなくproactiveでいる必要があります。

子供がものをねだってきて、「ダメよ」と言ってもお店で騒がれたらひとたまりもありません。

親はしぶしぶ了承することでしょう。

それも一度了承してしまえば、子供は同じ手法で再度トライすることでしょう。

親の弱みを握っているわけですからね。

子供がおねだりをしてきてダメというreactiveな方法では限界があります。

この場合のproactiveな方法とは何か。

それは、お店に入る前に、事前にこう伝えるのです。

「お店に入っても、お菓子とかは買わないよ。それでも良い?」と。

そうやって事前に承諾をもらっておくことで、子供も衝動を抑えることができます。

言葉の使い分けも全く同じです。

英語を使ったら、reactiveにダメというのは子どもの伝えたい気持ちを削いでしまう。

あくまでもproactiveに。

「ちょっと話があるんだ」とお母さんから改めて伝えても良いと思います。

子供はドキッとすることでしょう。

なんだろう。何かやっちゃったかな、と思うかもしれません。

「〇〇(子供)のことを思うとね。絶対に日本語を学び続けて欲しいの。それが絶対にあなたのためになるから。

お母さんがここで挫けたら、将来絶対に〇〇は損をするから。でもそのためには、〇〇がお母さんと話をする時は日本語を使って欲しいの。

どうしても日本語で言えない時は、英語でも良いから。

その場で、それは日本語でなんていうの?とは言わないから。

でも、その夜にでも、どうやったら日本語で言えるか一緒に考えよう」と。

「大変だとは思う。お母さんもたまに英単語が出てくるから。

でもお母さんも英単語は使わないように頑張るから。〇〇も頑張って欲しいんだ。」と。

改まって、1対1で話し合いを持つ。

そしてこちらの真剣な思いを伝える。

reactiveではなく、proactiveに。

まとめ

「言葉の使い分け」は想像以上に大変でしょう。

ご主人が日本語が喋れないとなれば、なおさらです。

ただ日々日本語でアウトプットする機会があるかないか、は小さな積み重ねですが、大きな結果となることでしょう。

子供の可能性は本当に無限大です。

それを発揮するのも、しないのも家庭の環境が大きく影響してきます。

せっかくバイリンガルになりやすい環境で子供を育てているわけですから。

外では英語、中では(お母さんとは)日本語という環境を作ってあげましょう。

ぜひ、ご家庭でもreactiveとproactiveを意識して、子供に日本語を使う機会を作ってあげましょう。

バイリンガルは本当に険しい道です。

簡単ではありません。

ただ簡単ではないからこそ、価値があるとも言えます。

どんなに一時的に嫌われても、最終的にはお子さんは感謝してくれることでしょう。

「お母さん、私に日本語を使うようにいい続けてくれてありがとう」と。

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