バイリンガル育児:言葉の使い分け

バイリンガルを育てる上で大事なことの1つに「言葉の使い分け」があります。

ポートランド・シアトル・バンクーバーWAで展開中の学習塾の巣鴨アドバンススクール。

ポートランド校教室長の御殿谷です。

アメリカで子育となると、子供にはバイリンガルになってもらいたいと思うわけですね。

できる限り、子供達には無理のないように、苦労のないようにバイリンガルになってもらいたい、それが親の願いでしょう。

私自身、4歳の子供を持つ親ですが、色々とどうしたら無理なくバイリンガルになれるだろうかとあれこれと考えてしまうものです。

言葉の使い分け

バイリンガルの子供を育てる上で大事なことの1つに「言葉の使い分け」があります。

言葉の使い分け、と聞くと「???」となってしまいますよね。

実は、私たちは日常において、言葉を使い分けています。

友達と話をするとき。

親と話をするとき。

子供と話をするとき。

他人と話をするとき。

会社の人と話をするとき。

というように、相手によって、また場所によって言葉を使い分けているんですね。

義母に対して「昨日、信じられないことがあってさ!」なんて言わないわけです。

「お母さん、聞いてください、昨日びっくりすることがあって。」と伝えるでしょう。

また子供に対して「もしよろしければこちらをご利用ください」なんて言わないですよね。

「よかったらこれ使ってね」と言うことでしょう。

私たちは日頃、言葉を使い分けて日々を過ごしているわけです。

バイリンガルは言葉の使い分け

バイリンガルになると言うことも、この言葉の「使い分け」になります。

アメリカの社会で使われているのは英語です。

英語を使う機会は、外に出ればいくらでもあります。勇気さえあれば。

そのため、ご家庭においては、英語より日本語を使う環境の構築が大事になります。

バイリンガルになるためには、家庭と社会で使われる言語が違うのが理想的です。

それでは、家庭の中で子供に日本語を使ってもらうためには、どのような言語ルールを設けるべきでしょうか。

例えば、こんなルールはどうでしょう。

家の中では必ずお母さんには日本語を使う。

言うは易し。

これを実行するには大変なルールです。

特にお父さんの第一言語が日本語でない場合は、本当に大変です。

初めが肝心です。

特に子供が学校に通いだす時が一番肝心。

学校に通いだすと、今まで日本語を喋っていた子供が、あっという間に英語の方が強くなることも。

それは当然で。

アメリカの現地校では、子供は全てを英語で認識しています。

Library, classroom, homework全て英語で知ることになります。

それらを日本語で認識する機会もありません。

図書室、教室、宿題とは変換されません。

そのために、学校で起きたことを、家庭でお母さんに伝える時は、なかなか大変でしょう。

Libraryって日本語でなんて言うんだ?classroomは?homeworkは?となるわけです。

そんな状況ですから、お母さんにも英語を使い始めた時は、要注意です。

なぜなら、どちらの言葉で話をしても良い、となった瞬間に、子供は楽な方に流れるからです。

楽な方に楽な方に。

一度舵を切り始めたら、戻るのは難しい。

昨日、Libaryでhomeworkが出たんだよ!なんて発言が出た時は、要チェックです。

ルー大柴さんのように、英単語を混ぜて日本語を使うのは好ましくはありません。

日本語を強要するのはかわいそう?

言葉の使い分けというのは、トレーニングです。

私たちが、友達に使う言葉と、先輩に使う言葉を使い分けるように。

お母さんには日本語で喋ってね、と言うのは躾の一つと捉えましょう。

「子供が喋りたい言語で喋らせた方が良いのでは?」

「子供の伝えたい気持ちを大切にしたい。」

「子供がかわいそうだ。」

もちろん、言いたいことは十分に分かります。

一々日本語で喋ってね、と伝えるのも心が折れる作業でしょう。

ただ、上司に敬語を使っていない人は訂正されるべきですし。

義母に「あのさぁ」なんて言っている人がいたら、訂正してあげた方がその人のためですよね。

要は「言葉の使い分け」なのです。

「言葉の使い分け」を促すのは、かわいそうでもなんでもありません。

家庭では、お母さんには日本語で喋ってね、と伝えることは「言葉の使い分け」なのです。

もちろん、一々子供の発言を訂正していたら、コミュニケーションを取りたいと言う気持ちを削いでしまいます。

お子さんがコミュニケーションを取ろうとしている時は、英単語が入っていようが、訂正をするのではなく、しっかり聞いてあげてください。

では具体的には訂正せずに、どう子供とコミュニケーションをとるべきなのか。

どう日本語を引き出せるのか。

それはまた次回にでもお伝えしたいと思います。

まとめ

「言葉の使い分け」はかわいそうではありません。

子供の可能性は本当に無限大です。

それを発揮するのも、しないのも家庭の環境が大きく影響してきます。

せっかくバイリンガルになりやすい環境で子供を育てているわけですから。

外では英語、中では(お母さんとは)日本語という環境を作ってあげましょう。

ぜひ、ご家庭でも「言葉の使い分け」を認識して、子供たちに日本語を使うよう工夫してみてください。

無料相談してみる