小4がヤマ? 海外での日本語学習のゴールは?

「小3になって漢字の量が増えてしまって、日本語の勉強をしたがらないです。」

「文章が長くて、うちの子は手をつけようとしません。」

「英語の方が強いので、どうしても日本語は後回しになってしまいます。」

 

保護者からこんな声をよく聞きます。

 

日本の親戚とちゃんとお話ができるようになってほしい、

せめて小学生ぐらいの読み書きはしっかりとできるようになってほしい。

などなど日本語を勉強する目的はご家庭によって様々ですが、

小学校中学年以降になると、日本人の学年相応の日本語力を身に付けるのが難しくなります。

 

 

教育業界の「七五三」

 

七五三とは、子どもの成長を祝う行事というのが一般的ですが、

教育業界の「七五三」は聞いたことがない方も多いはずです。

 

小学生のうち7割の生徒が学校の勉強を理解している
中学生のうち5割の生徒が学校の勉強を理解している
高校生のうち3割の生徒が学校の勉強を理解している

 

逆に言うと、日本で日本語だけの環境で育っているお子様でも、

3割のお子様が小学生の学習内容でつまずいてしまっているということなのです。

それを考えると、海外で小学校レベルの日本語の読み書きをマスターするのは、

本当に大変なことなのです。

 

 

海外での日本語学習にも

「七五三」はあるのか?

 

海外の日本語教育における七五三という言葉は、残念ながらありませんでした。

しかし、私たちが日ごろ指導している生徒の様子から考えると、海外で生まれ育った生徒のうち

 

7割の生徒が、ひらがな・カタカナをマスターし、
小学校低学年レベルの日本語の読み書きができる

 

5割の生徒が、小学高学年レベルの日本語力を
習得することができる

 

3割の生徒が、中学生以上の日本語の読み書きができる

 

こんなイメージだと思います。

せっかく順調に日本語を学習して小1・2レベルの漢字(合計240個)を覚えても、

小3で200個、小4で202個の新しい漢字が出てきて、心が折れてしまうお子様もいらっしゃるようです。

 

ポイントとしては、「細く、長く続けること。」

 

 

日本語学習のゴールはどこ?

 

結論から先に言います。

日本語の読み書き(または、勉強)が苦手な人は、
9年生(日本の中3)までに小学4年レベルの読み書きを習得すること。

 

日本語の読み書きや(または、勉強)が得意な人は、
9年生(日本の中3)までに小学6年生レベルの読み書きを習得すること。

 

これを目安にしてみてください。

 

 

日本の小学4年生レベルとは?

 

読み書きできる漢字が642個ある状態だと考えてください。

このレベルはアメリカでも受けることができる日本語能力試験(JLPT)で3級(N3)レベルです。

また、このレベルの日本語をマスターしていると

アメリカの高校でAdvanced Placement(AP)日本語のテストで最高点が取れるレベルになります。

このAPの日本語テストの結果は、アメリカで大学に入るときに評価基準になったり、

またはアメリカの大学に入ってからの単位になったりと、優遇を受けることができます。

 

 

 

日本の小学6年生レベルとは?

 

読み書きできる漢字が1026個ある状態です。

このレベルは上の日本語能力試験(JLPT)で2級(N2)に挑戦することができるレベルです。

N2を持っていると、日本の大学で留学生として入学することができるレベルになります。

 

もちろんさらに上のレベルの日本語を身に付けられるのが理想ですが、

無理せず、細く長く続けていくことがポイントです。お子様が日本語を嫌いにならないように

興味があることを中心に日本語学習をさせてあげてください。

 

 

日本語を読むことはできますが、

テキストの問題を解くことができません。

 

そういった生徒は、日本語の読解力に問題があるため、答えを見つけることができません。

個人的な意見としては、その場合は無理に問題を解せかなくても良いと思っています。

なぜなら、問題集は読解力を鍛えるのが目的なのにも関わらず、答えを探すことが目的になってしまうからです。

子どもにとってはよくわからない暗号を解いているのと同じで、やる気も出ません。

 

問題を解く代わりに

  • 知らない単語をしっかりと調べて意味をまとめること
  • 物語全体を文章または絵(漫画)にしてまとめること
  • とにかく音読をさせること

 

また、同じ文章を1回音読するだけで終わってしまってはもったいないです。

何日も同じ文章を音読させてみてください。徐々に文章の内容を理解できるようになります。

それだけでなく、日本語の自然な使い方やリズムを知るのに役立ちます。

 

 

家族全員でテストを受けてみよう

アメリカに住んでいて日本語を使わなくても生活できる。

→日本語をやる動機がないし、意味がない。

→だから日本語をやりたくない。

 

という状態になっているお子様もいるかもしれません。

 

その場合は、ご家族で検定試験を受けるのはいかがでしょうか?

 

シアトル・ポートランドで受けられる日本語試験で

小学生から挑戦できるのは、漢字検定です。

漢字検定はこちら https://www.kanken.or.jp/kanken/

また、中学生以上のお子様は12月に行われる日本語能力試験(JLPT)に挑戦してみるのはいかがでしょうか。

JLPTはこちら https://www.aatj.org/jlpt-us

 

お友達と一緒に勉強しよう。

 

シアトル・ポートランドの学習塾、巣鴨アドバンススクールでは日本語を勉強しているお子様が多数通塾しています。

1人で日本語を勉強するのは本当に大変ですし、孤独です。お友達と一緒に頑張ってみませんか?

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