さあ、精読、しよう。

本当に早いものでもう6月も後半戦ですね。

この時期は何となく浮足立っている小学生や、期末試験や課題の〆切でげんなりしている

上級生がいるため、生徒たちを勉強に集中させるのが大変です。

 

さて、先週の記事では多読について書きました。

 

多読の目的は、楽しく本を読むこと。

ルールとしては、

・辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)

  ・分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)

  ・つまらなくなったら止める (楽しく読めない本は読まない) 

     酒井邦秀『快読100万語ペーパバックへの道』(筑摩書房 2002年6月刊)

 

とにかく、『やさしい本をたくさん読んでいくこと。』が目的になります。

そして、知らない単語や大切な単語は、本を読むたびに何度も何度も出てきますので、

その中で自然に覚えることができる!ということです。

 

 

多読に欠点はないのか?

私は基本的に多読肯定派です。

日本語を習得したいお子様にとって一番のネックは、日本語に触れる量が少ないことです。

多読をすることで、今までに触れたことのないほどの日本語に触れることができ、

お子様の日本語力を1段も2段も高いレベルに引き上げることができます。

 

ただ、強いて欠点を挙げるとすると、

・多読の教材を探すのが(アメリカだと)難しいということ。

・短い期間で急激に日本語力を伸ばすのが難しいこと。

・多読は、注意深く読む練習に向いていないこと。

それらの欠点を補い、多読の効率を上げる方法が精読であると考えています。

 

さて、精読に向いている題材は?

まず、精読をするには今の自分のレベルでは少し難しいくらいの文章が向いています。

単語が難しいかわりに、文章自体は短いもの(もしくは、1日に読む量を少なく)を

選ぶことが望ましいです。

 

 

まずは、単語を調べよう。

多読では辞書を使うことを禁止していますが、精読では積極的に辞書を使ってください。

知らない言葉があれば、必ず辞書を使って調べてください。

精読では何度も同じ文章を読んでいきますので、1周目はわからない単語を確認してください。

 

せっかく辞書で調べるという面倒な作業をするので、

ついでにノートにその単語の意味や例文を書いてまとめていくことをおススメします。

特に、例文。

単語そのものの意味を知るよりも、文中での単語の使い方を学んだ方が効果があります。

 

 

段落ごとに1行でまとめてみよう!

知らない単語を調べ終わったら、段落ごとに通読をしてみましょう。

通読する際には、黙読でも構いませんが、音読をする方が望ましいです。

理由としては、①お子様のつまずく音や単語を把握しやすいこと、

②音読することで、お子様も日本語のリズム等を吸収しやすくなるからです。

そして、通読が終わったら、段落ごとに1行でまとめてみましょう。

 

 

段落ごとにまとめるために…

 

接続語は文の接着剤

でも、段落ごとにまとめるとは言ったものの、どのようにまとめていけばよいでしょうか?

接続語(そして、しかし、つまり・・・etc)は文や単語をつなぐ役割です。

普段の読書や多読ではあまり意識しないかもしれませんが、文章の流れを理解するのに非常に役立ちます。

 

指示語は元に戻して考えよう!

同じ単語を繰り返し使った文章を見ると幼稚な印象を受けますよね。

そのような繰り返しを防ぐためのツールの1つとして、指示語があります。

いわゆる、「こそあど言葉」という単語です。

 

日本語読解力が低いお子様の多くは、指示語が何を指しているのかを答えるのが苦手です。

最初は大変ですが、1つひとつ何を指しているのかを確認しましょう。

 

接続語も指示語も、ノートにまとめるのが面倒な場合は、

保護者が「この〇〇(接続語)はどういう意味なの?」

「「あそこ」ってどこのこと?」など口で確認してあげても大丈夫です。

 

ただし、お子様があいまいな答えをした場合は、先に進まずにもう一度考えさせてください。

 

 

段落ごとにまとめたら?

段落ごとにまとめたら、それをつなげて1~2文のまとめを作ってみましょう。

…はい。今までの段落ごとにまとめた文章をさらに短くするということです。

 

その際に注意してほしいのは「いらない段落はないか?」ということです。

では、いらない段落とはなんでしょうか?説明文では、例を挙げている段落のことです。

物語では、人が絡まず情景を描写している段落です。

 

また、繰り返し出てきている表現があれば、本文のカギとなっている可能性が極めて高いです。

その単語を中心にまとめてみてください。

 

 

精読は一朝一夕では身に付きません

だから、時間がある夏休みにじっくりと練習してみてください。

大変ですが、毎日続けることで着実に力が付きます。

もし精読に疲れてしまったら、楽しく多読をしましょう!

 

また、家では精読を絶対にやりたくないというお子様がいらっしゃいましたら、

ぜひポートランド・シアトルの学習塾「巣鴨アドバンススクール」までご相談ください。

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